旅の思い出19

今日は以前に訪れた、パリのノートルダム大聖堂。ゴシック建築ではユネスコの世界遺産になっています。2019年に改修中に火災が発生、屋根などが焼失。現在は修復活動が行われています。

2015:中尾撮影

数十年から数百年という工期は建築の種類では一番長いジャンルではないでしょうか。。日本は木の文化の建築ですが、欧州では石の建築が昔から教会建築を中心に文化として根付いていました。パリのノートルダムの場合、1163年に着工し、1345年に今の形で竣工(完成)しています。

彫刻には聖母マリアの物語が刻まれています。古典的な建築と彫刻はかつて一つの芸術でした。

教会建築からボールト天井等の空間を構成する建築力学の技術が発展し、様々な他の用途の建築にも石工等の職人が技術を応用してきました。それにより、天井の高い空間が発展し、それを支える技術が進化しました。パリのノートルダム寺院では垂直方向に大きくそびえたつ建物の外壁を支えるためにフライングバットレスという、アクロバティックな外から支える登り張りのような梁が外から建物の外壁に突き刺さっています。それにより、外壁が壊れることなく大きなステンドグラスの窓が設けられています。

長い工期の建築を通して、彫刻家の技術、信仰心も培われる土壌が、文化としてしっかりと根付いています。日本では宮大工さんたちに当たると思います。社寺仏閣では基礎や階段等、石工の技術が今も使われます。しかし、石積みの積み方は日本と西洋では地震などへの配慮もあり、使い方や使う部分が違うので、日本では特に、宗教建築以外では、公の建物は関東大震災以降、レンガ造→鉄筋コンクリート造へ、(公共建築物や民間の建物は)都市の耐震化と不燃化の発展のため、道筋がつけられましたが、昔は城郭の石垣や、伝統工法等では基礎の束石、外構などで塀などに使われます。いつか地元の石を使った建築の設計にも関われたらと思っています。。。

 ※ウクライナに早く平和が訪れることを祈ります。教会の修復が終わり、また祈りの場として機能するように願う今日この頃です。

 ※良い週末を!

橋も中心地の道路も、もちろん石です。都市のインフラは基本石。今も石。なので、風情&文化が現代でも都市にあります。