Cantilever house in Imabari 2016

「キャンティレバーの家」は1Fが美容室、2Fが住宅として計画された。敷地は今治市内中心部の近隣商業地域で、北側に店舗、西側に住宅、東側と南側に前面道路が通る、日当たりの良い土地である。その一方で、プライバシーに対する配慮、駐車スペースの確保等が求められた。 1階は、東側を美容室の駐車場・出入口とし、南側を住宅の入口、駐車スペースとすることで、住む家族と、美容室の利用者と動線を明確に分け、プライバシーへ配慮した。また、住宅部分は2階とすることで、歩道や周辺の店舗、住宅からの視線を感じないように配慮した。コの字型の中庭を設けることで、屋内と屋外が繋がり、開放的な暮らし方ができるように工夫している。勾配天井のあるリビングにはヒノキの天井板が張られ、軽井沢の別荘を彷彿させるLDKとなっている。生活音が下の階に響かないようにするため、1Fがコンクリート構造、2Fは木造在来工法としている。外壁は1Fコンクリート打放し、2Fは杉板下見板貼り+防虫防腐塗料とし、素材感のある仕上がりとしている。住宅部分の面積が大きいため、上下階の面積に差があり、組合せ方が課題だったが、コンクリートの構造を活かし、3方向を片持ち(キャンティレバー)とすることで、周囲に縁側的なピロティスペースを提供しつつ、駐車スペースを十分に提供でき、建設コストも予算内とすることができた。