内子立山に計画された伝統工法の家。普段は二人の夫婦の住まいであると同時にお盆やお正月などは昔から親族が集まって過ごす別荘(ゲストハウス)的な使われ方も想定しながら計画された。木材は地元の内子産材の杉、ヒノキを使用。葉枯らし(自然乾燥)させ、その後、地元の大工職人による手刻み加工により、昔ながらの継手、仕口、込栓、貫、といった伝統的な組み方を採用した。内部の壁は珪藻土を使用した左官仕上げ、床材は30mmの厚みのある無垢の地元の杉板を使用し、風通しのよい暮らしを目指した。また、省エネ性、断熱性にも配慮し、ペアーガラス、高断熱の断熱材を使用し、現代の快適性にも配慮している。林業家、大工、左官、建具、瓦職人の皆様、依頼主ご家族の皆様のご協力もあり、落ち着いた佇まいの平屋が完成した。
写真:北村徹