大型ショッピングモール内の既存の歯科クリニックの増築工事のプロジェクト。
元銀行窓口だった隣の空きテナントへ新たなクリニックの延長空間として、受付ホール、歯磨きスペース、小さなイベントスペース、待合スペースを増築する等、必要な最低限の改修を行うリノベーション。同時に既存スペース内も更衣室などを広げるなどの改修を行った。
バリアフリー法が適用されている建築物の為、既存スペースと改修ゾーンのレベル差はスロープ勾配基準1/12(屋内)以下、段差をなくし、避難通路、出入口を必要な寸法で確保することや、機械排煙設備のゾーン内で居室を計画すること、必要な消防法関係の設備の追加、既存設備の移動、コロナ対応型の手洗器・自動水栓の新設等が求められた。
予算内の工事とすることと、依頼者より、カフェのような雰囲気の待合スペースにしたい要望があったことから、天井を貼らずに、吊照明ダクト方式とし、照度計算をしたうえで、必要な照明器具を選定。家具の配置や間取りの変更など、将来的に対応しやすい柔軟性のある改修方法を採用した。ショッピングモール内通路からの入口では木調の素材を使用。ゲート状のデザインとし、わかりやすいエントランス空間を表現している。エントランス空間を柔らかな表情とするため、ファサードの壁面や受付カウンターをアール状にデザイン。エントランス空間から、ホールのイスや待合のソファー等を見えやすい位置に配置し、利用者が気軽に利用しやすい雰囲気づくりを意識して設計しいている。