旅の思い出 18

まだコロナが今年も続く感じなので、旅の思い出シリーズを続けることにしました。以前の旅の思い出を写真を見ながら巡る特集「旅の思い出」その18(第18回目)です。以前少しご紹介した、ルイ・ビトンミュージアムの続きになります。

建築の意匠的な要素は機能面だけがすべて、ということはないことをよく表現している建築家としてフランク・オー・ゲイリー氏がわかりやすいかもしれません。ミュージアム自体も芸術としての佇まいが建築の機能として求められる,という場合も、ごくわずかの世界ですが存在します。

模型の展示があったので、撮影してみました。(許可済)透明な屋根は邪魔だったのか、模型では表現されていませんでした。様々な分棟型の展示室やカフェ、スタジオ等必要な部屋がそれぞれの造形として建物の一部として設計されていました。各展示室へは建物内の谷間を歩くように通路や階段が屋内外と連続して繋がっていました。木漏れ日の降り注ぐ、白い渓谷のような建築でした。建築ですが、限りなく彫刻的な要素の強いフォルムの美の建築でした。

日射を和らげるシェード的な屋根

屋上庭園。展示室の曲面の外壁が複雑すぎて、タイルが貼りにくそうでした・・・。でも人々の心の豊かさを、豊かにしてくれる確かな芸術性をミュージアムは確かに持っていました。(私たちはとにかくうろうろ歩いて足がくたくたに疲れました)財団もパリ市も国も、人々も芸術の大切さを理解しているから出来上がるものが違う、そんな気がしました。フランスでは様々な芸術家にしっかりと手厚い生活が保障されています。芸術が人々の暮らしを豊かにし、生活に潤いを与えることをよく理解している。公園の中に計画されたことは景観としても良かったと思われる。ポンピドゥーセンターのようなやり方で古い町並みが残る地域には、はやりこれはまったく調和しないので、人々の反発や政治批判を買うことになるが、この場所がこの建物を受け入れられる環境だったように思う。芸術は人々の生活に必要不可欠なのだということをすごいパワーで肯定しているように思う。やはり、文化大国、素晴らしい!観光戦略としても成功していると私はこの旅の中で感じました。なぜなら、私のような好奇心のある人々が世界中からフランク・オー・ゲイリーの建築作品を楽しみに遠いところからやってくるのだから。そして、満足してワインを堪能するに違いない。人々の期待に応えるある意味パワースポットに違いないと思う。ちなみに、フランスで活躍する日本人の芸術家のご自宅もこちらを訪れる前に伺いました。国が違うと色んな制度と考え方が違うので、旅はいろんなことを教えてくれます。ルイが生まれて200年、交通の発達に着目し旅の荷物を運ぶトランクづくりからブレイクし、クリエイティブでありながら、エレガントで実用的という、創業者であるルイ・ヴィトンが生み出した「旅の真髄(こころ)」という精神を忠実に受け継いでブランドは今日もづづいています‥‥つづく。

ちなみに、日本で最初にヴィトンのトランクを買ったのは、後藤象二郎。土佐藩士として坂本竜馬と共に活躍し、大政奉還実現の一翼を担った人物・・坂本龍馬もブーツをはいていたので、ビトンのトランクを象二郎が持っていてもおかしくないかもしれませんね。ファッションにもお洒落だったのでしょうね。1883年、板垣退助と共にフランスに渡り、パリのルイ・ヴィトン本店で総革張り・110センチの大型トランクを買い求めたことがなんと、記録に残されているのです。(板垣退助も木製のトランクをその際に購入したそうです。)2003年ルイ・ヴィトンの高知店オープンの際のスピーチの中で紹介され、初めてルイ・ヴィトンを購入した日本人として多くの人にも知られています!

しばらく、まだコロナの日々ですが、良い週末を!

そして、ウクライナに早く平和になることを祈りたいと思います。

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