自然乾燥の木を使った家づくり

 手刻みの住宅に使用する柱、梁を選びに内子町へ。

 ご近所の方から内子町の山間に小さなご実家の建替えの相談があり、施主のお知り合いの大工さんの協力で昔ながらの手刻みの住宅を設計させて頂くことになりました。少し先の完成の予定ですが、先日、一部の柱や梁に使う杉材を近くの林業をされている大野さん、地元で製材業を営んでいる上田さん、大工さんの宮内さんと一緒に選木に同行しました。

瓦屋根ということで構造をしっかりさせるために、あえて少し曲がった材を梁を使うので、丁度良い曲がり具合の杉を探すのに斜面をうろうろしました。暑い中、2時間くらいでしょうか。。なかなか丁度良いものを見つけるのに少し時間がかかりましたが、何とか搬出ルートがとれる木を見つけ、倒す方向を決めて、邪魔になる木を一先ず間伐してもらいました。一本の木を取るのに、実は別の1本、2本を切るわけなので、木の値段は買う値段の実際は半分くらいなのでしょうが、生産されるまでのロスを受け入れて頂いて私達が買う値段になっています。(ほとんどそのような値段と植える苗木の値段、間伐の手間等、正確な値段まではとても反映されているとは思えない価格なのですが。)

 計画している小さな平屋の住宅の梁は30~40年前に植えられた杉で寸法的には十分だったので、とりあえず選んだ杉に印をして、木を切る適切な時期(切り旬)に切った後、製材屋さんへ運び、1番玉(根の部分から5mくらいの部分)を太鼓梁、角材の梁、2番玉(5m以上の部分:3mの長さ)を柱・間柱等、3番玉(母屋・大引等)に仕様する予定です。加工で余った部分は垂木、破風板、枠材等に使用予定です。製材するときに何mまでの長さ、サイズ(断面)が加工できるかで、材料の仕入れ、製材所まで運ぶ運搬費等のコストが変わるので、木材の見積もり価格はそれにより変わってきます。更にプレカット(工場機械加工)の場合は加工機械に入るサイズ以外は加工できないので使用できる断面は住宅規模の断面が多いように思います。(店舗等でも中規模くらいまでは一般的な加工による木造建築で十分対応は可能です)

愛媛は木の産地(杉・檜)なので、地場の木材を活用することでCO2削減に寄与できますし、林業の方の後継者育成の貢献に少しでもなればと考えています。そのような考えもあり、極力、地場の木を使い、木造住宅、小規模な建物は木造で作ることをお薦めしています。

愛媛県内の市町村で多少差はありますが、地域材、町内産等の地場の木材を使うと、補助金を頂けている地域もありますので、家づくりをご検討されている方は是非地域の材料で住宅を建てられたらと思っています。私のアトリエ事務所では設計契約を行って木造設計する住宅の場合、基本的に在来工法がほとんどですが、地域の材料を構造材、床や壁等に杉や檜材を使用し、補助金も活用しながら家づくりをすることが多いです。(構造材の約80%以上の割合で地域材を使用しています。)地元の木材をしようした家づくりにご興味のある方は是非、「設計相談がしたいのですが。」とお気軽にHPの問い合わせフォームよりお問い合わせください。

大野さんの管理する先祖代々の山林

※木を切るところから家づくりを行いたい方は設計期間に自然乾燥をさせる時間が必要になりますので、住宅設計のご相談の際にスケジュール等、お気軽にお問い合わせください。

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