今年の思い出5

昨年、建築許可が下りた沖縄の現場に今年、何度か訪れました。

20代のころ5年程、沖縄の設計事務所に勤めていました。会社の先輩や後輩、地域の設計士の皆さん、現地で知り合った友人等、たくさんの人に出会いましたが、その中の一人で、現在は沖縄で柑橘の農家をしている豊田くんから施主の吉田さんをご紹介いただきました。吉田さんはオーダーキッチンを作る会社の経営者で、いつも忙しく沖縄県内外のお仕事をされています。たまたま、私の事務所が行っていたリモート住宅相談会に豊田さんと参加してくださり、住宅設計のご依頼を受けました。

 少し変わっているのは、沖縄県本部町という亜熱帯地域に敷地があるといことと、施主が、構造部以外を施工するという、分離発注形式であるとうこと。僕の友人でもある豊田さんの自邸がそうだったことも影響があった様で、造作キッチンも含め、自分たちでできるところは自分たちで工事をおこないたいという希望がありました。

 普段は設計の目線で家づくりをしているので、作り手側の視点という新たな目線も含め、木造の家づくりを沖縄で進めています。

 愛媛との違いは風速が強いので、風圧計算が50cm/㎡(愛媛)で問題なかった風圧力の想定が、沖縄県だと最大値の75cm/㎡(1.5倍)必要であるということ、年間の平均気温が愛媛だと17.8°(年間の平均湿度ですが、愛媛は70%に対し、沖縄の場合、23°~24°が年間の平均気温(年間の平均湿度は77%)ということもあり、気温で、およそ、8度、湿度で7%ほど異なります。平均なので、実際はもっと気温が高かったり、湿度が高かったりすることが多いです。(後、時々、スコールのような滝のような雨が降ります)体感で10度以上、湿度で10%~15%くらいは違うような気がします。そんな場所で、木造の住宅の設計をさせて頂いています。フラット35Sという住宅ローンを使用し、今回はバリアフリー仕様+省エネ仕様となっています。ただ、省エネ仕様が愛媛と気候的に異なることがわかりました。愛媛は比較的、温暖な場所ですが、冬や夏のことを考えると壁に断熱材がないと省エネの審査が基準的に通りません。沖縄の場合、恵まれているなと思ったのは壁に断熱材がなくても、屋根(庇)を開口部の上に十分に設け日射遮蔽+断熱していれば、省エネ基準を満たすことができるという、驚くような気候風土であるということです。台風が多い地域ですので構造計算上、愛媛と比べ、風圧が強く壁が少し多めに必要になりますが、屋内と屋外の気温差が少ないので、断熱材が壁に不要というのはとても恵まれていることだなと思っています。但し、窓の上部に夏の暑い日射を遮る屋根や庇があってこの条件は成立していますので、キュービックな窓にした場合は開口部が小さくなったりする必要出てくると思いますが、高温多湿な地域で窓を小さくしないといけないという省エネ的な制約は沖縄という独特の亜熱帯の気候風土(湿気が多い地域)では暮らし方が閉鎖的になるので相性は良くないように思います。(それでも近年沖縄に進出している本土のハウスメーカーは沖縄でそのような家を作っていますがこれは沖縄の気候風土や住み方の文化を完全に無視していると思います。)つまり開放型の省エネ設計の必要が気候風土や培われてている地域の生活文化を考えると大事であると思います。今回の計画では、十分な長さの庇を設け、日射遮蔽を行った上で、壁の断熱性が最小限で済む設計とし、屋根面等での日射遮蔽と断熱を施し、快適性については大き目な開口部を従来的に設け、自然光と通風を十分に確保した沖縄らしい、木造住宅の設えになるように計画しています。外にはテラスを設ける計画となっているので、沖縄の伝統的な半屋外空間であるアマハジ空間(バッファゾーン:緩衝空間)を取入れた住宅になる予定です。(写真下:棟上げ時(金物検査時)の写真)

幸い、住宅の周辺は山の森林に囲まれた地域でそれほど、ダイレクトな強風が当たることもない地形だったので、少しその状況が安心感を私達に与えていると思います。完成時に訪れることを楽しみにしている場所です。今回は台湾と沖縄で設計活動を行っている喜屋武幸治氏と共同で設計させて頂いています。建築費が高騰している中で施工の視点から家づくりの仕方を考えるいい機会になっています。またここで経験していることを何かの形で活用していきたいと思っています。住宅や非住宅など、沖縄から愛媛に戻って経験したことを再度沖縄にフィードバックしていますが、沖縄の地域性を取入れた木造建築の設計を、いろいろな方とのご縁がを通じて、今後も関われていけたらと考えています。愛媛からは毎日1本飛行機が行き来し、2時間で到着できるので、意外と近い場所なのではないかと思っています。住宅相談会も予約制ですが、行っていますので、ご希望の方はHPのお問合せフォームより「住宅相談希望」と書いて送信の方、お願い致します。(ご希望の日時を2・3日送信して頂けると折り返し担当者(中尾)よりご連絡させて頂きます)

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