土壁2 荒壁塗り

先週に引き続き、本日(8/23)も香川県丸亀市に。今日は、はじめに講師の大西泰弘氏(NPO法人土壁ネットワーク代表理事)より、香川県で用いる土壁の物性、粘土が固まる仕組み、今回の研究で用いる土壁の概要について講習があり、その後、宮本慎宏氏(香川大学創造工学部准教授)より、荒壁土の養生期間と圧縮応力度について研究の概要の説明がありました。

講師の大西泰弘氏(NPO法人土壁ネットワーク代表理事)

香川大学の宮本慎宏氏の講義の様子。

講習後、大西氏と左官職人の秦竜一氏、青山和希氏による土塗壁の施工方法の説明と実演、その後、私たち参加者も一緒に荒壁塗りの実習がありました。

写真:左官職人さんの青山氏による荒壁塗りの実演の様子。

今日はアトリエ事務所のスタッフの森本さんと高知から来たインターン生、藤坂さんとも一緒に参加。一緒に荒壁を塗る工程を体験しました。

詳しい方はご存知の方も多いと思いますが、荒壁は左官の最初の工程で先日の竹小舞の後に行われる工程で、荒壁土(粘りがある藁入りの土)を金鏝で塗る作業になります。小舞に鏝で土を塗りますが、裏側にはみ出すまで強く押し込むように塗ります。その後、裏面のはみ出した土を撫でつけて裏返し土を塗りやすくする、という流れになります。(今回は裏面は職人さんに手伝っていただきました。)実際に少量に見える土を板で受け取り、小舞に塗りますが、意外と土が重く手首が疲れました。(板の上の土が時間の経過と共に手首に重さを感じさせました。)途中、秦氏による、土壁の粘りや滑らかさの違いを実際にサンプルを作って頂き、私達に鏝で柔らかさや、粘りの違いを鏝の感触の違い等で体験させてもらうコーナーもありました。(中塗土、砂、中塗り藁苆、水を混ぜ、粘土を作って頂き、次の工程に使う中塗土と荒壁土の違いを教えて頂きました。)

中塗土の説明をする左官職人の秦竜一氏。私達参加者にとても丁寧に説明して頂きました。ありがとうございました。

今回の実験で使用している藁苆を製造されている中須苆製造所(徳島県)の前田亜矢様にも講習の合間、お話を伺うことができ貴重な機会になりました。

講習では水槽に土の団子と土壁に使う粘土の団子を入れ、溶ける溶けないの違いも見せて頂きました。香川県では花崗岩質土で適度な粘着性のある(前回お伝えしたが)淡路瓦の製造過程で余った土を粘土に使っているそうです。今回の講習で私達も参加して作った土壁は12月に破壊試験を行い、土壁の養生期間による強度実験を行うような予定となっています。ということで、また、12月に参加したいと思っています・・・つづく。

 今回の講習会は船の上体育館再生の会の吉井千恵子様にご案内頂き参加することができました。吉井さん、ご案内ありがとうございました。また今後ともよろしくお願いいたします。会場の職業能力開発大学校住居環境科、村井花子様、学生の皆様にも大変お世話になりました。ありがとうございました。

今日もお昼は別のお店でソウルフードのうどん(今回は肉うどん(冷)すだち付)を堪能しました・・。こちらのお店はイカの足の天ぷらが名物とのことで、私もせっかくなので頂きました。(肉の下に腰のあるうどんが隠れています)香川の風土とフードを味わった一日でした・・つづく。

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