旅の思い出 vo.l 21 ~建築を巡る旅 その1 愛知~

  

 1年ぶりですが、建築を巡る旅「旅の思い出 第21回編」(愛知編)の投稿をしてみたいと思います。今回の旅で印象に残った建築を幾つか数日にわたりご紹介できたらと思っています。

 先週、所属している建築関係の団体(JIA)の全国大会で愛知を訪れました。仕事では8年くらい前に訪れたことがありましたが、今回は、地元の建築関係の方が、見学先や移動手段を確保してくださり、シンポジウムや勉強会、役員会等の前後に、視察で訪れる時間が取れました。東海支部の皆様、ありがとうございました。

 ①旧川合健二邸 ~コルゲートハウス~

 故川合健二氏の自邸が最近宿泊施設として改修されたと伺っていたので、この機会に豊橋市へ。川合氏はSDGsの言葉がなかった時代(1966年)に、既存の社会インフラから離れた自給自足の生活を目指し、コルゲートハウスを考案。敷地5200m2の農地ではミカンや茶を栽培していた。(以下、中日新聞令和5年10月21日、9月29日掲載より抜粋)近代建築の保存に取り組む国際的な学術組織DOCOMOMO Japanにも選定されている。

 川合氏は建築家の故丹下健三氏の建築(旧東京都庁、香川県庁舎等)で空調設備を担当していたエンジニアで、1966年に故郷の愛知県豊橋市に自宅として、自身でも工事に関わり、セルフビルドで住宅を完成させた。当時の川合さんの理想は地球環境に出来るだけ負荷をかからない生活。川合邸の工法は石山修武氏の幻庵(1975)遠藤秀平氏(1990以降)にも影響を与えている。

(冨田氏より宿泊施設としての川合邸を説明して頂いている様子)

 今日は川合様のご親族より建物を受け継ぎ、傷んでいた部分などの改修工事を行い、建物と農園の運営を現在されている冨田さんご夫妻より宿泊施設としての旧川合邸(corrugated house)について色々と教えて頂きました。川合様ご夫妻との出会いも私達に語って下さりました。

水廻りやトイレは宿泊者が不便なく使えるように現代的に改修がされていました。

トイレ洗面廻り。

 間取りは1・2Fの両サイドに小部屋がダブルコア的に設けられ、真ん中の中心にLDと吹抜け、2Fのロフト(畳スペース)がブリッジで繋がっている間取りでした。

川合さんの本棚(ある程度処分したものの、大切な書籍と思われるものは冨田さん達が厳選して、そのまま当時の本棚に残されていた)

 川合氏の思想が冨田さんご夫妻に受け継がれて運営されている姿にとても感動した1日でした・・・・・・つづく。

生前の川合健二さん。

 当時の農園で柑橘の栽培をしている写真。

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