House in Kuma town 2014

久万高原町が移住者向けに整備した久万ニュータウンに計画された若い家族のための住まい。この区画の1棟目を依頼主ご家族からご指名で、ご縁があり、設計させて頂きました。久万高原町産の杉を80%以上使用し、耐力壁には新しく開発されたラチスパネルを使用。真壁であるが、内部に断熱層を設けられるスペースがあり、乾式工法で壁が作れるので内部に断熱層を十分確保することができる工法になっている。ニュータウンは景観に配慮した規約を設け、地元工務店を主体とした地域活性化を目指したプロジェクトである。柱は4寸柱を使用し、真壁を基本とし、外壁にも杉板を一定の割合で施し、色彩などの美観も重視された。屋根勾配についても地域の集落の屋根勾配4寸~5寸とし、集落の景観を損なわない配慮をして計画されている。愛媛では珍しい多雪地域ということで、雪止めを屋根に設けている。内部はLDKと和室を真壁とし、珪藻土の左官仕上げとし、杉柱・梁と左官の味わい深い空間を家族の寛ぐスペースとしている。2Fは家族の寝室エリアでプライベートなフロアとなっている。眺望が良い場所に計画されたので、窓からの眺望と採光条件がが非常に良い。周囲の山林からの気流の流れで夏でも通風があり、自然の涼しい冷気で快適である。ニュータウンは久万高原の谷間に位置し、風の谷となっている。谷の南北方向から風が通る道筋に住宅を長手方向に計画し、全室風が通る計画とした。伝統的な集落の民家と同様に軒の深い住宅とし、雨風からの外壁を保護している。メンテナンス時に足場がなくても再塗装がしやすいように、1階部分を杉板張りとしている。