アール天井の家12

 昨日は内装・家具等、一部の照明器具を除き大体仕上がってきたので、施主検査、設計事務所検査をお引渡し前に行いました。来週は、完成写真撮影後に、住宅設備の取り扱い説明、その後、ご引っ越しという流れになります。(今回は北土居の家の見学会の方はコロナの関係で開催は行いませんのでご理解ください)写真は以前撮影した洗面器ですが、今日は横から撮影してみました。(鏡の裏には小さな収納があります)

 玄関は和の要素を入れた空間のご要望があり、床の間の雰囲気+サイドからの小窓を設け、壁の左官に夜は照明、日中は自然光で壁に光を当てて、柔らかい雰囲気の玄関のスペースとしています。靴箱の上はお花等を飾るスペースとしています。靴箱はあまり主張しないシンプルなデザインとし、把手はつけず、指が引っ掛かるように扉を少し斜めに加工し、天板と扉の間に指が入るようにしています。

 基本的に、アトリエ事務所では扉・家具はすべて造作になっていますので、引戸枠、ドア枠も造作しています。鍵の錠の種類で小窓のセンター寸法を合わせているので、鍵のメーカー種類で寸法は毎回、調整します。(つまり、扉、引戸は開口寸法も含め毎回違うデザインになっています)ハウスメーカーさんの住宅の場合のような既製品のドア・引戸の場合はあまり選択肢はありませんが、アトリエ系の設計事務所の場合は扉の木の種類(床など、内装と関係しています)やご予算に合わせて、毎回ほぼ違うものを選んでいます。(それぞれのご家族にあわせて)木の種類により木の硬さも違うので、ドア、引戸枠などは少し固めの樹種を一般的には使用します。ヒノキ、杉でも枠に使うことはできますので、床に杉やヒノキを使う真壁の家等はヒノキ等を使うことが多いです。今回は床が広葉樹オーク(楢材)だったので、枠も広葉樹であるタモ材を使用しています。家具によく使う固めの樹種になります。ピアノを習っているお子様がいらっしゃるご家族なので、指の感覚は繊細なご家族かと思い、今回は把手は使わず、すべての引戸の引手は彫り込んでいます。木の木目を指先で感じれることができ、木の感覚を楽しむことができます。楽器を指で楽しむように、少し家の作りもアーティスト仕様になっています。扉も天井、床も時間が経過すると味わいが出てくるようにすべて自然素材のものを植物オイル仕上げで仕上げています。


床材のオークと引戸枠。ハイサッシ(天井まで建具)としています。(珍しいですが、LDKの入口等、いくつかの入口に鍵を付けてほしいと、ご要望があたので、同じデザインの錠に本締め鍵をつけています。)必要な空間の機能や使い方はご家族で違いますので、ご家族の暮らし方に合わせてスムーズに生活ができるように様々な工夫をしています。

 もう少ししたら完成ということで、今後は自由に出入りできなくなるので少し名残惜しいですが、ご依頼主のご家族の生活が豊かなものになりますように心より願っています。設計の方ご依頼いただきありがとうございました。

2Fの洗面器、トイレも取付完了。鏡の裏には実は収納が隠されています。壁に収納を埋め込んでいます。

家具の把手は今回は木のタイプと鉄のタイプ(タオル掛けを兼用)の2種類を使用しています。素材は天板と同じ、オーク(楢材)。

北側のブロック塀もこの日ほぼ完成していました。普通のブロックですが、レンガ積みのように馬積みとし、鉄筋の入れ方を工夫し、塀の強度と美観を高めています。(値段は同じです。)

通常はブロックの継ぎ目に鉄筋を入れますが、馬積みは互い違いに、真ん中に鉄筋が入ることで塀自体の強度が上がります。(目地が揃わないので割れにくくもなります)見た感じも、普通の積み方よりもお洒落かなと個人的に思っています。同じ値段ですが、ブロックの積み方ひとつでも表情を豊かにすることはできると思います。

この日は寒かったですが、職人の皆さんにセメントを現場で練っていただき、施工して頂きました。ありがとうございました。駐車場の土間コンクリートが仕上がっていたので、お気遣いいただき、シートを敷いて、材料を調合してくださっていました。何気ない風景ですが、職人さんのお気遣いに工事関係者の皆様のお人柄を感じます。

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