土壁3 実大剪断破壊試験12/15

今年の8月に、土壁の小舞、荒塗りをしました。そして、昨日(12/15)その強度を実験する剪断破壊試験の立会に再び四国能力開発大学校(香川県善通寺市)へ。他の参加者の皆様(20名くらいと一緒に参加してきました)土壁を作る、直すには土壁がどのように壊れるのかを知っておくことが必要ということで、参加してきました。今回は土壁の耐力特性・快適性・省エネ性・健康性を知る、という趣旨で土壁実大試験の体験が主な内容となっていました。

 試験体は壁の耐力を計測しやすくするために柱の角は斜めに加工し、柱脚部分のコミセンはピン支持のなるように、丸形の込栓で固定されています。(通常は四角い込栓で骨組みを締め込むようになっています)

実験結果から今回の7cmの土壁(荒塗り+中塗り)の耐力は建築基準法の壁耐力に近い1.1倍の壁倍率の試験結果を確認することができました。職人ではない私達の試験体で強度が確認できたので、職人さんたちによる土壁も今回の強度以上になると思います。

今回は壁が破壊されるまで横から実験機械でせん断力の実験に立ち会うことができました。また、荒土は練置期間が50日という期間を設定し、強度がしっかり出る期間を確保した実験でした。(香川大学宮本研究室・土壁ネットワーク・四国能力開発大学校による研究実験)試験体は表面の中塗壁が壊れ、最大の強度に至るまで試験しました。(写真は途中経過の写真)

表面の中塗部分の端から亀裂が入り、徐々に中心部に亀裂が入るという破壊のされ方でした。粘り強く貫や竹が圧縮力が加わるにつれて曲がる様子がわかり、貫と小舞の力がよくわかりました。試験体は半間と1間半とではクラックの入り方が違うので、2つの式を使ってせん断力の算出を実験で行っているとのことでした。いい壁は土が落ちても粘りがある方が良いとのことなので、各地域の気候風土に合わせた土壁が日本の各地にはある理由が少しわかった気がしました・・。

四国能力開発大学校の生徒さんによるテストピースとの記録状況

耐力試験の合間に、土壁の調湿効果、温熱環境について水沼信氏(テンゲ・デザイン・アソシエイツ:山口県:山口民家作事組)によるレクチャーがありました。土壁は耐力壁以外にも吸湿効果が高く、室内の空気環境に優れていたり、蓄熱性もあるとのことを色々と教えて頂きました。土壁住宅を今後の住宅省エネルギー基準に適合させるため、外断熱などを組合わせることで、気密性の高い現代の住宅等にも適応できれば地域の特色を出しながら健康的で魅力的な工法になる、とのお話でとても実務的で勉強になりました。香川大学の宮本先生からは実験の総括をまとめて、行っていただき、今回の実験の特徴などをよく理解することができました。ご関係者の皆様、学生の皆様、お疲れさまでした。今回の土壁を学ぶ機会を作って頂いた土壁ネットワークの大西様、ありがとうございました。土壁には興味があるので、住宅等の設計に機会があれば関わってみたいと思いまいした・・・つづく。

 過去の土壁ワークショップの記事(1)8/19 土壁・竹小舞 – アトリエバウ – Atelier bau

 過去の土壁ワークショップの記事(2)8/24 土壁2 荒壁塗り – アトリエバウ – Atelier bau

昼食は、ご当地グルメのうどんを堪能して帰りました。この日は手打ちうどん歩(あゆみ)へ。香川の吉井さんいつもありがとうございます。

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